チョビの絵本2015/08/17 11:30:53

遊ぶの大好きだったチョビ
ここのところ、僕は走るのに、はぁはぁした。
大好きなかけっこも、虫との追いかけっこも、鳥さんとのジャンプ遊びもできない
一番悲しいのは、大好きなお兄ちゃんと遊べないこと。

お兄ちゃんのいるところまで、走って駈け寄れない。

でも、おにいちゃんはそんな僕を抱っこして
マンションのフェンス越しからの街並みを見せてくれる

僕は最近、大嫌いな、かごにいれられて、病院というところに連れていかれる

怖くて怖くて、注射もおなかを触られるのも大嫌い
おにいちゃんと、お姉ちゃんは、心配そうに僕をみて
そして、僕は一人だけ冷たい台の上においてけぼり
血も取られたよ、お水も抜かれたよ、レントゲンっていう機械にも入れられて
お中にべたべたしたものも塗られたよ。

終わるとまたかごに入れられて、お姉ちゃんたちのいるところに返してもらえるけれど
そのとき、僕はもうぐったりして
怖かったよ・・という声さえも出せない

だから、おうちにつくと
またあの怖い病院に連れていかれないかと
一目散でベットの下に潜り込むんだ。

おにいちゃんと、お姉ちゃんのいつもの生活に戻るのを見計らって
僕はご飯を食べに行く。

おにいちゃんと、お外にも出る。

時折、おにいちゃんとお姉ちゃんは、僕を見ながら悲しそうな顔をする

なんでかな?

最近、おにいちゃんとお姉ちゃんは、僕の写真をいっぱいとっている。

僕は、ちょっと変な気持ちになり、びくびくする。

今日は朝から、ご飯が食べれない

大好きな、かにかまなら食べれるから、冷蔵庫を開けるとおねだりしてみる
お姉ちゃんは、これはダメ!ってくれない

お兄ちゃんは、これしかもう食べれないならあげるねって、少しだけくれる。

のどが乾いて、お水しか飲めない

大好きなスープも飲めない

おなかすいた

僕、なんだかすごく軽いよ
こんなに軽いのに

ジャンプして、虫さんと遊べない、

息が、はぁはぁするんだ

病院というところに、毎回連れていかれることが多くなってきて

おにいちゃんと、お姉ちゃんはとても悲しい顔になっている

そしてその日がやってきた

僕は、もう何にも食べられなかった

お水さえ飲んでも、げーってしてしまう。

もう、体がだるくて、お兄ちゃんのお部屋の一番暗い所に入って
眠った、大好きな夜の運動会もできない

朝になって、僕はお兄ちゃんたちとお庭に出た
一生懸命歩いてお庭まで出た。

いつもと同じ庭、

でも、僕の体はいつもとは違って、苦しくて、少し歩くとへたり込む
いつものブラックベリーの大きな鉢の隠れ家までいき、そこから
お兄ちゃんたちを見ていた、僕の秘密の場所は、そこからなら
お部屋の中が丸見えで、とても安心の場所だった。

しばらくそこから、お兄ちゃんたちを見ていた

きゅうに、胸がチクってして
なんだか、空気が吸えないよ

ハァハァして、そして力んで、おなかにあったウンチを全部出した

大きな咳が出て、おなかにあったお水も全部吐いた

僕は、もう必死でお兄ちゃんや、お姉ちゃんのいる場所まで走った

息ができないよ、苦しいよ、お兄ちゃんおねえちゃん助けて

ほんの少しの時間だったのか、すごく長い時間だったのか

僕はすごく苦しくて大きな声をあげた

今までで一番大きくて悲しい声だと思う

そして、お兄ちゃんとお姉ちゃんが、泣きながら僕の名前を呼んでいる声が聞こえたけれど

僕は、僕の体からするりと抜けて、空に引っ張られて気が付くと
空から、2人と、僕を見ていた。

僕の体はぐったりとして、舌は紫色だった

お兄ちゃんと、お姉ちゃんは泣いていた

僕はここにいるよってニャって泣いたけど、聞こえないのかな・・

お兄ちゃんとお姉ちゃんは、僕をかごの中に入れて
僕の大好きだったご飯や、カニカマや、おもちゃや、マタタビで
僕の周りを埋めている

僕の体も顔もだんだん少しづつ変わっている

もう、ふわふわの毛にもならないし、しっぽうごかせない

何度も、僕の体に体当たりして戻ろうとしたけれど、入れなかった。

僕は、もうあの体には戻れないんだね

お兄ちゃんと、お姉ちゃんが「僕が死んじゃった」と泣いていた

「死んじゃう」そういう言葉初めて知った

死んじゃうってこういうことなんだね

そして、僕の体はお寺というところで小さな箱に入れられ
骨っていうものになった

ずっと泣いているお兄ちゃんとお姉ちゃんと、お姉ちゃんの妹

おねえちゃんのお友達もたくさん泣いてる
僕は空の上から、ちょびちゃんって泣いてくれている人のところに
ここにいるよって回って歩いた。

一番僕をかわいがってくれた「くわばらさん」っておねえちゃんがよんでいるおばあちゃんの
ところへ僕はいったんだ

夢っていう乗り物に乗って会いに行ったよ。

ぼく、ここにいるのに
夢っていう乗り物でしかみんなに会えないのかな?


ぼく、
鳥になってきたよ、わかるようにウンチしておいた
セミになってきたよ、セミがはいれないようなところから入って驚かせたよ
ゴキブリにもなってきたよ、夜、部屋が明るいうちに出たら、
お姉ちゃんにシュッて何かかけられて
カチカチ凍っちゃったから、すぐにその前にゴキブリから抜けて出た
2回ゴキブリなったとき、
ふたりが、これチョビかもね・・でも、チョビならゴキブリになっちゃだめだよ!って言われた。

なんでかなぁ・・・って僕は思ったんだ。

お兄ちゃんが、チョビは生まれてから、お庭の中と家の中で会ったものしか見ていないからなぁ・・
って

ちょび、ゴキブリたべちゃって病気になたのかなぁ・・って。
ゴキブリって病気っていうやつになるのか・・

そうなんだ。みんなあそんでくれるお友達だったからわからなかった。

でも、今度は、小鳥やコガネムシや蝶にはいる

いつでも、いるよ。そばにいるよ。

昨日は、緑色のコガネムシになって、お庭の入り口にいたんだ、

お姉ちゃんは、コガネムシの頭を撫でて
チョビかな?入っておいでて、網戸を少し開けてくれた

僕の体は網戸もすり抜けられるけれど、いつものようにお部屋に入ってみた。

お姉ちゃんがお教室の日で、たくさんの人と僕も一緒にいた。

お兄ちゃんも、お姉ちゃんも、いつまでも僕を探している

お兄ちゃんもお姉ちゃんも僕の魂がまた、入って帰ってくると信じている

その日まで、待っててね、

病気を治して必ず、帰ってくるから

きっと、そのとき僕だってわかると思うよ。

会いたいときは、目をつぶって僕を呼んで
夢っていう乗り物に乗っていつでも会いに行くよ


もうすぐ会える  待っててね。      チョビより